2013年9月29日日曜日

『量子論について』

 

 量子論(りょうしろん Quantum theory )
は、1900年にドイツのマックス・プランクがエネルギー量子仮説を発表し創始した、量子現象を扱う自然科学の理論の総称である。 


その数学的理論体系である量子力学や量子物理学と同一視されることが多いが、量子力学の応用は全て自然科学領域に及んでいる。1927年頃に確立された量子力学に対して、それ以前の学説を前期量子論と呼んでいる。



 書店に発売されていた量子論に関する一般向けのとてもわかりやすい本を紹介する。イラストが多く掲載されており容易に量子論の世界観を理解することが可能であろう。


 最近、「小澤の不等式」に関するニュースがあった。量子力学を勉強した人はもちろんだが、科学に関心のある人なら知っているであろう「不確定性原理」について新しい解釈が得られたという。



「ラプラスの悪魔」対「不確定性原理」は人間の運命はあらかじめ決定されているのかのという有名なパラドックスであり哲学的な問題があるが、小澤の不等式は完全ではないものの、どちらが正しいか最終的結論へと導くものになる可能性は大きいだろう。


 量子論、量子力学は「科学」であって直接的に人間の運命や哲学と結びつけるのは論理的飛躍が見られるが、量子力学の研究者の中にはインドや中国などの思想に量子論的世界観を見出すものもいる。


 アメリカの有名な物理学者、リチャード・ファインマンは量子力学における哲学的な背景や意味について言及しており、またニールス・ボーアも「因果律と相補性」の中で量子論的世界観と哲学、運命論との間で共通している部分について言及している。


ボーアは禅や道教などに深い関心を持っていたようである。





 アインシュタインは量子論を創りだした重要な人物であるが、彼自身量子論の世界観、古典物理学的世界観との相違に納得することができず、ボーアやその他量子力学の研究者と盛んに議論を行った。有名な言葉「神はサイコロ遊びはしない」というフレーズに量子論に対する懐疑的な態度が凝縮しているものと考えることができよう。

『量子論 シュレーディンガー 精神と物質 』


 「しかるに、すべての自然科学は心の働きにほかならず、すべての知識はここに源を発している。心は宇宙の不思議の中で最大のものである。心は客体たる世界にとって必須の条件である。西洋は心がそのようなものだということをほとんど認めてこなかったと思われるが、これは非常に驚くべきことである。認識の対象となる外部客体が洪水となって、認識の主体を背後に押し戻し、明らかに無に帰せしめたのである」


 「物理学の世界から見れば、日常生活は影絵の動きに見える。私の肘の影が、影のテーブルにあり、そこには影の紙が置かれ、インクが影となって続いている等々といった具合である。物理学の科学が影の世界に関連をもっているという率直な理解は最近の科学の進歩のなかでもっとも重要なものに属するであろう」
  


 「精神、それは決して知覚するものではない。それゆえに精神は、空間的世界の中を幽霊にも増して影のように通り抜けてゆくのである。見ることも、触れることもできない。それは輪郭さえもない。それは「物」ではない。それは感覚的に確認できないものである。そして永遠に、確認することはできないのである」


 「物理的な科学は…われわれを難問に立たせるのである。精神それ自体は、ピアノをひくことはできないー精神それ自体は自分の手の指を動かすことはできない」


 「すべての精神と世界について共通なもの
世界は私にただ一度与えられたもので、
 たった一つの存在でも、たった一つの知覚対象でもない。主体は客体の一つである。」


W・ハイゼンベルク


 「知的冒険のためにもまた、精神と肉体の両面にわたる耐久力が必要である」



2013年9月11日水曜日

『ゼロからわかるブラックホール』

 

 ・重力理論の研究で有名なアメリカの物理学者キップ・ソーンの「ブラックホールと時空の歪み」という本を読み返していた。

 

 出版されて20年以上経過している本なのでデータなどに古さは感じるものの、この本の最後のあたりで言及している「ワームホール」に関する奇抜なアイデアは今でも色褪せることはない。



 「アインシュタイン・ローゼンブリッジ」とも言われるこの不思議な「虫喰い穴」に関する考えは非常に興味深いが、理解するためにはそれなりの努力が必要となる。



 昔から宇宙論に関する本、一般向けから専門書までいろいろ読んできたが、どれくらい理解できているのか、確認の意味を込めてブルーバックス「新・天文学事典」を読んでいると宇宙の大規模構造にただただ驚嘆してしまい「自分はなんてちっぽけな存在なのだろう…」と感傷的になってしまう。
 

 インフレーション宇宙論の提唱者である佐藤勝彦氏の書いた本も面白いが、最近読んだ本の中で記憶に残っているのはこのブログのタイトルに書いた「ゼロからわかるブラックホール」である。



 ポッドキャストで「夢夢エンジン」を聴いていたらこの本を書いた大須賀健氏が出演しておりブラックホールについていろいろ説明をしていた。



 シュヴァルツシルト半径、チャンドラセカール限界、エディントン限界、回転するブラックホールと回転しないブラックホールの違いは何か?ブラックホールが蒸発する?ホーキング輻射って何?などなどブラックホールを語るための最小限の知識を本書は与えてくれる。



 また、タイトルにある通り知識ゼロからでも十分に理解ができるように平易な説明、わかりやすいイラストや写真を使用しているためスルスルとそれこそブラックホールに吸い込まれる光と同じくらい知識が脳に吸い込まれるような本である。時間があれば是非一読を。

2013年9月10日火曜日

『走る!!』


  9月、夏の暑さはまだ残っているが、幾分涼しさも感じ始めた今日このごろ。


 現在、私はジョギングをしている。夏はプールで体を鍛えていたが、9月からはジョギング筋力トレーニングを主として実施してこうと思う。


 最近になり、ようやく体がガンガン走りこみをしていた頃の感覚を取り戻しつつあるのかなと思う。


 「やる」のは簡単である。
重要なのは「継続」である。


 1ヶ月継続できればあとは体は自ずと「走りたい」と言うだろう。
 そのような身体にしていければよいと思う日々である。