『風立ちぬ』 観てきた。点数は80点。映画を観て泣いたのは久しぶりだな。隣の客がやたらハンカチで顔を拭っているので最初は「そんなに暑いのかな・・・」と思っていたが、映画館はエアコンが適度に効いており汗が出るような環境ではない。多汗症なのかなとも思ったが、順当に考えればこれは「感動して、泣いてる!!」という結論に達した。ちなみにその観客は女性だった。そして私も「もらい泣き」である。
今回の作品は正直言うと「そんなに面白くないだろう」と思い、ハードルを低めに設定していた。それが原因かはわからないがストーリーが真っ直ぐ私の心の中に入ってきたので「感動」してしまった。主人公堀越二郎とヒロインの菜穂子との恋愛模様は「三文芝居」感は否めないが、これぐらいベタな方が見やすいのかなと思う。というよりこの二人の「愛」の話より「飛行機」への「愛」の話が重要になってくるだろう。監督の宮崎駿が飛行機好きなのは有名だが、この作品は航空機を愛する人によって描かれた、航空機が大好きな人向けの作品と言っても過言ではない。私は飛行機にそれほど関心はないが「技術者」として堀越二郎の人物像は好感を持つことができる。日本が欧米諸国と肩を並べられるまでに至る道を開拓してきた人物の描き方は秀逸である。話はそんなに難しいとは思わないが小さい子どもが観ても「つまんな~い」「どういう意味?」と思うのは当然だろう。その当時の歴史背景を理解した上で本作品を鑑賞するのが妥当だと思う。「沈頭鋲」を理解する子供に私は逆に驚いてしまう。そもそもアニメは子どもが見るものという考えは捨てたほうがいい。
思想、イデオロギー的な問題、映画の深層構造の解読は他の評論家に任せるとして、最近のジブリ作品の中でも一二を争う良い作品としてこの「風立ちぬ」を是非映画館で観てもらいと思う。
この映画をもっと楽しむため、深く知るためにこの本を読んでおくといいだろう。
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