2013年7月23日火曜日

『 教え 』

 
人間が空腹を訴えるのは、必要な食物の補給を促すためであって、意地汚い食欲をあおるためではない。それと同様に、性的本能も、自然が種族保存のために植えつけたもので、あくなき性欲を駆り立てるためにあるのではない。

    
誤った欲望は今すぐ捨てなさい。


 さもないと、その欲望はお前の幽体が肉体の殻を脱ぎ捨てたあとまでもお前についてくる。たとえ肉体は弱くとも、心はたえず抵抗しなくてはならない。誘惑の強襲を受けたら、冷静な自己分析と不屈の意思をもってそれを克服しなさい。そうすれば、どんな欲望も必ず押さえることができるものだ。


 自分のエネルギーは浪費せずにたくわえておきなさい。そして大洋のような大きな器となって、感覚の河川から流れ込むすべての刺激を静かに飲み込んでしまいなさい。
 感覚的刺激を次々と追い求めることは、心の平和を蝕むことになる。それは、水桶のそこにあいた穴のようなに、大切な活力の水を漏らして唯物主義の砂漠の中に失わせてしまう。誤った欲望を駆り立てようとする執拗な衝動は、人間の幸福を脅かす最大の敵だ。厳然たる自己制御の王者となって人生を歩みなさい。感覚の弱卒どもの弱音に耳を傾けてはならない。

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