2013年6月12日水曜日

『アメリカの光と闇の歴史」 オリバー・ストーンが語るアメリカ史

   先日からアメリカ政府による個人情報の「収集」「検閲」が行われていることが新聞、ニュースなどで大きく取り上げられ今現在でも元CIA職員が名乗りでて、アメリカが「法を順守しながら行った『正義』(彼はそれを偽善と言ったが)」を大々的に批判した。アメリカは「自由の国」として広く認知されているが、その実情は高度なテクノロジーに支えられた巨大な「監視社会」であることがこの事件を機に多くの国民が知ることとなった。中国共産党による人権弾圧や少数民族虐殺、言論・思想の統制などを海外メディアから非難される事柄は、現存するもっと古い「民主主義」国家アメリカ合衆国の中でも我々国民が知らない間に統制国家が形成されつつあるという非常に脅威であり、警戒しなければならない事態が今起こっているのだ。  映画監督のオリバー・ストーンは社会派の映画を何本も制作してきた。ベトナム戦争は正しかったのか?彼の従軍経験から着想を得て制作された「プラトーン」や 帰還兵が反戦運動に身を投じていくことによって「アメリカ社会」を変化させようと行動した人物に焦点をあてた「7月4日に生まれて」。権力によって犠牲になる人物だけでなくアメリカ合衆国のトップである「大統領」にもそのオリバー・ストーン監督の鋭い批判精神はあてられ数多くの名作を制作してきた。  そんなオリバー・ストーンだからこそ教育で教わる「アメリカ史」ではなく、実際に世界各地でアメリカはどのような非人道的、差別主義的な行動を実施してきたか、それが海外だけでなく矛先はアメリカ国内にも向けられ多くの犠牲者を出すことになった。これからのアメリカが世界でどのような立場にたって物事を進めていくのか、現在のオバマ政権はアメリカ一国で世界の諸問題を解決することは困難だと判断し、国際協調路線に軌道修正しようとしてる。しかし、前大統領ブッシュの行ったアフガン、イラク戦争の痛手からまだ立ち直っていないアメリカの政治をもとに戻す作業はオバマ大統領の現職期間中に全て解決されるものではない。その人的、物的「犠牲」はあまりに大き過ぎた。  「オリバー・ストーンの語るもう一つのアメリカ史」は中立的観点から書かれてはいないので、興味のある方は他の文献、書籍を読みながらアメリカが国際的影響力を持ち、それをどのようにして行使するに至ったかその経緯を学ぶことはできる。  

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