この夏公開される映画「ワールドウォーZ」。ブラッド・ピット主演の「ゾンビ映画」である。大量のゾンビ、今までこれだけゾンビが登場する映画があっただろうか?
興行収入などによって変化するだろうが映画は三部作構成らしい。世界規模のゾンビ殲滅戦となると2時間の尺では足りないだろう。
人間にはフロイトが提唱したエロスとタナトスという有名な心理構造が存在する。エロスが「生」、「創造」を意味するなら、タナトスは「死」、「破壊」を意味する。
既存の「体制」というものに人間は対応しきれない場合も多い。イラク、アフガニスタン戦争、宗教、民族の相違により起こる紛争、テロとの対決、金融危機、経済格差の広がり。
これらの問題は「国境」という目に見えないが「存在」すると思っているものを簡単に乗り越え世界に波及してゆく。
グローバル化が技術の進歩により急速に進展していく中で、今まで「国内」の「問題」だったものは、「世界」の「問題」に変化しやすくなった。
世界がゾンビによって巨大な災禍に包まれるという設定は滑稽なものに見えるかもしれない。
しかし、この「ゾンビ」とは一体何かを考えるべきだ。世界には一日の食事に事欠く人間がどれだけいるだろうか。アメリカ、ヨーロッパを中心に「世界」
は回っているように見える。実際そうだ。政治、経済、軍事、文化あらゆる面において「西洋」の優位性は大きく喧伝されている。
その中で「巨大な格差」というものが存在し、進行中の問題であることを認識すべきだ。
この映画におけるゾンビの「メタファー」の一つとして「貧困」があると確信する。
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