2013年8月11日日曜日

『ワールド・ウォー・Zを観てきた』





「ワールドウォーZ」を観てきた。今日は感想を述べて終わる。




 1,「ブラッド・ピット活躍しすぎ」
旅客機が墜落しパイロット、乗客(ゾンビになったものを含め)ほとんどが死んでいる中で奇跡的に生存しているという随分と都合のいい演出。あれだけの大事故、普通は死んでるよな。
 2,話の最初に出演していたハーバード大学出身の研究者があっさり死んでしまう。
原因を探るため韓国の米軍基地までフライトしている際、機内で随分と偉そうなことを言ってたが、最終的に足元を滑らせて銃の暴発により死亡。そもそもこのキャラ必要なのか?
結局、ブラピの孤軍奮闘が始まることになる。




 3,空母の艦長の威圧的な態度に腹が立つ。

大統領が既に死んでおり、政府首脳部が壊滅状態にあるなか、結局「軍」が事態の収拾にあたっている。これは当然だが、指揮権も軍に委ねられるため、軍の命令に従わないもの、それぞれに課せられた義務を遂行できないものには水や食料、寝る場所も与えないという強気な態度。家族を半ば人質にされているような中でブラピは世界中飛び回り危険な任務を遂行することになる。
「艦長あんたは確かに偉いかも知れんがそんなに軍人風吹かすなよ。」






 4,携帯電話をマナーモードにしておけば犠牲者の数は増えなかった。

ゾンビは音に敏感に反応する。輸送機に給油を行わければならないシーンにおいて、ゾンビに気づかれないよう自転車で移動するも、途中で携帯電話が鳴り「ゾンビ覚醒」。携帯電話をマナーモードに設定しておけば無駄な犠牲は避けられたはず。




 5,エルサレムの城壁は案外簡単に破られる。

エルサレムに巨大な城壁を作り、ゾンビの侵入を防ぐのは良いアイデアだが、中に入って身の安全が確保され少し気が緩んだのか、歓喜の歌声が「ゾンビ覚醒」を引き起こす。予告編でも流れていたが、ゾンビは人間はしごを作って難なく城壁を突破、侵入、そしてパニックである。ユダヤ人の先見性は評価するが、このような失態を犯してしまっては意味がない。









 6,物語後半のWHO研究所でのゾンビとの対戦はもはや「ワールド」ではなくただのゾンビ映画である。

夏なのでこのようなちょっとびっくりするぐらいの映画はいいかもしれないが、この映画のタイトルには「ワールド」がついている。しかし、後半は研究所での戦いのみ。世界がどのような災禍に襲われているのか、生き残った人々はどのように戦ったのか、ラスト近くに世界の状況が説明されるが随分コンパクトにまとめたな、というのが率直な感想。興行収入によって続編をつくるという話もあるらしいが、私はこの映画一本で終了させてもよいと思う。なぜならいろいろツッコミどころはあるが約2時間という映画の尺を考慮すると原作小説の全てを映像化するのは非常に困難であろう。3部作という形式もありかもしれないが、今回の映画である程度終わり方もまとめているように思われるのでこれでよいと私は思う。小説ではゾンビとの壮絶な「戦争」やレデカー・プラン、宇宙での戦いなど様々視点からこのゾンビ戦争を記述している。映画においては国連職員のブラピの視点からゾンビ戦争を描いている。この点の相違は必ずしも原作に忠実にという方向ではもともとないようなので良いのかもしれない、そして見ているほうも複数の視点からゾンビ戦争を描くと多少混乱する可能性もあるので、ブラピ一人称視点のほうが見やすいし、理解しやすいのだろう。






 7,ゾンビは重度の疾病を患っているもの、ウィルス、細菌に感染している人間を襲わない。

それを逆手にとってブラピはみずから危険なウィルスを投与し、ゾンビに襲われない方法を生み出す。劇中では「カモフラージュ」つまりゾンビからしてみれば「見えない存在」になるということである。たしかウィルスを投与したブラピが自販機でペプシを飲み、大量の缶を床にばら撒きゾンビの大群を自分へ向かわせるも、「迷彩」をほどこしたブラピはゾンビたちには見えない状態になっている。悠然と歩いてゆく姿は「救世主?」と思ったほど何かを悟った人間のように見えたのだった。




 8,ゴミ集積場のようなところに大量のゾンビの死骸が山積しているのを見て、「まるでアウシュビッツみたいだな」と思った。

あれだけ死体があると感覚が麻痺してただのゴミ、忌み嫌われる存在として「悪魔呼ばわり」されるのも当然かもしれないが、もともとの原因が人類の自然環境に対する配慮の欠如、環境破壊や政治の問題など人類自身が引き起こした問題である。ブラピの奥さん、アンジョリーナ・ジョリーは国連の親善大使かなんかやっているらしいが、その影響があるかどうか真偽はわからないが現在世界が直面している様々な問題を「ゾンビ」というひとつの形態をもってして何かメッセージを伝えているのかと思う。

 今日はこのくらいで終わり。ネタバレの部分もあるが、もし時間に余裕があれば観てみるといい。個人的には小説の世界観のほうが好きだが、両方あわせて読んで見てみると2,3倍楽しく見れるかもしれないので機会があれば原作小説も読んでもらいたい。では今日はこれで終了、またね。おやすみ。

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